“Blued” Paper

 専修大学図書館所蔵ベルンシュタイン文庫『Collection générale des décrets rendus par l’Assemblée nationale, avec la mention des sanctions & acceptations données par le roi …』(Tome 818 資料ID:201596186)に対する保存手当てを行う中で、本文紙に他とは異なる青味がかった紙が使用されていた(写真1)ので、調べてみました。

 現在でこそ漂白剤などを使用して真っ白い紙を得ることは簡単ですが、その昔白い紙を作るには大変な労力が必要でした。原料のボロ(亜麻や木綿の布)の選別、発酵、水洗い、天日晒しなど、何段階にもわたる作業が行われ、紙の需要が増えると、質の良くない黄ばんだボロも使用するようになりますが、出来上がった紙は少し黄味がかった色となりました。その黄色味を消すために、青い顔料のスマルトなどが少量添加されました。16世紀に始まり、特に広く行われていたのは、18・19世紀のようです。

 顕微鏡(100倍)で見てみると、青い顔料が混入されているのがわかります。このように繊維間の顔料は微量ですが、紙にされるとこんなに青く見えるようになります。