【国立歴史民俗博物館】国際企画展示「文字がつなぐ-古代の日本列島と朝鮮半島-」

国立歴史民俗博物館にて国際企画展示「文字がつなぐ-古代の日本列島と朝鮮半島-」が下記のとおり開催されます。

【期間】2014年10月15日(水)~12月14日(日)
【会場】国立歴史民俗博物館 企画展示室A・B
【時間】9時30分~16時30分(入館は16時00分まで)

 古代から朝鮮半島と日本列島は、ともに中国の漢字文化を受け入れ、はぐくんできました。日本では、7世紀後半から9世紀にかけての木簡が、藤原京や平城京からだけでなく各地からも数多く出土し、古代の日本列島で文字による政治が活発に行われていたことが明らかになりましたが、そのルーツについてはよくわかりませんでした。『古事記』『日本書紀』などといった古い歴史書には、漢字文化が朝鮮半島から伝わったことが伝承として記されています。ただこれまではどうしても“漢字のふるさとは中国”という意識が強すぎたために、「漢字文化の来た道」を学問的に検証することは困難だったのです。
 ところが、韓国では1970年代末以降、5~7世紀の石碑があいついで発見され、さらに90年代末からは、日本の木簡のルーツとなるような木簡が次々と発見されるなど、朝鮮半島の古代文字文化の様相がしだいに明らかになってきました。日本においても近年、文字を使って政治を行いはじめた7世紀代の木簡が数多く出土するようになり、それぞれの文字文化をつなぐ資料が、私たちの前に姿をあらわしはじめたのです。このような流れをうけて、日本と韓国の研究者の間で古代文字文化に対する関心が高まり、両国間において様々な研究協力や学術交流が進められるようになってきました。その結果、今まで考えられてきた以上に、古代の日本列島と朝鮮半島が文字によって深くつながっていたことが、明らかになりつつあります。
 今回は、このような研究成果を踏まえ、韓国の研究機関の全面的な協力を得て、古代の朝鮮半島から日本列島へ、文字文化が受け入れられ、それが形づくられていく過程、さらには文字文化を媒介とした両地域の交流の歴史をテーマとした展示を開催し、最新の古代文字研究の成果を広くご紹介したいと思います。(公式サイトの展示の趣旨から)