【天理ギャラリー】152回展「漢籍と日本人-中国古典籍の伝来と受容-」
天理ギャラリー第152回展「漢籍と日本人-中国古典籍の伝来と受容-」が開催されます。
【会期】2014年5月18日(日)~6月15日(日)
【時間】9時30分~17時30分
【会場】東京都千代田区神田錦町1-9 東京天理ビル9階
漢籍は古代より辛亥革命までに中国人によって著された書籍の総称である。日本への伝来は、応神天皇の御代( 4世紀) 百済王が和邇吉師(王仁) を遣わして『論語』と『千字文』を伝えたと『古事記』に記されていて、仏教よりも早い伝来がうかがえる。奈良時代には律令制のもと官吏志望者が『周易』『尚書』『毛詩』『礼記』『春秋左氏伝』『孝経』『論語』などの修得を義務づけられ、政治・制度の手本は漢籍から吸収された。国風文化が栄えた平安時代にあっても、『枕草子』の一節「ふみは文集[白氏文集]、文選、…」との記述にみられるように、王朝貴族の教養に欠かせぬものとなり盛んに書写・伝承された。鎌倉・室町時代には留学した禅僧らが、更に多種多様な漢籍を将来・覆刻して、朱子学や陽明学等といった日本人の思想に深く根ざしていく新しい学問も次第に広まっていった。室町から江戸時代にかけての印刷技術・事業の発展は、読者層の更なる広がりをもたらし、漢籍による学問・教養享受の恩恵は武士階級に止まらず、一般庶民へと伝播し、近世日本人の精神文化に多大な影響を及ぼした。
「漢籍と日本人」と題して、奈良時代から江戸時代までを、館蔵の出陳書で概観する。この度の展示を通じ、現代の日本人にはすっか り疎遠となった漢籍(中国の古典籍)を、日本人が古来どのように受け容れ、伝え、広めてきたかを見て頂ける一助になれば幸いである。(公式サイトから)
【講演会】2014年5月31日(土)14時開演
「漢籍を支えてきた蔵書文化」高橋智氏(慶應義塾大学斯道文庫教授)