ダヌンツィオの詩 早大から草稿(読売新聞3/1朝刊記事から)

 私どもが昨年修復させていただいた早稲田大学戸山図書館ご所蔵の仏訳和歌集『蜻蛉集』(1885年パリ)から三島由紀夫が傾倒したイタリアの国民的詩人で小説家のガブリエーレ・ダヌンツィオによる初期の詩「西洋うた」の草稿が見つかった。
 発見した同大イタリア研究所の尾崎有紀子客員研究員は2月26日、国際的文化組織ダンテ・アリギエーリ協会東京支部で、この発見の報告会(駐日イタリア大使館後援)を行い、日伊の専門家らの関心を集めた。
 京都産業大学講師の内田健一氏は、「当時の欧州は日本の文化や文学への関心がとりわけ高い時期で、若き日のダヌンツィオも、短歌などを紹介する新聞記事を寄稿している。その彼が創作の過程で、和歌から受けた影響を伝える貴重な資料」とみる。
 一方、ダヌンツィオの小説『死の勝利』の邦訳は、1913年に大ベストセラーになり、三島由紀夫に大きな影響を与えてもいる。伊政府の支援で伊語・文化普及を推進する同協会のファブリツィオ・グラッセッリ東京支部会長は、「このような重要な作品の草稿がイタリア国外で見つかるのは極めてまれで、本国でも注目されるはず。戦前の日伊の文化的つながりがいかに深かったか、両国民に再認識してもらうきっかけにしたい」と話している。
 以上、読売新聞3月1日朝刊の記事を抜粋したものです。
また、 図書新聞にも同様の記事がありましたので、ご参考までにご覧ください。