小口マーブル
小口にタイトルを記載してそれが見えるようにして書棚に納めていた時代を経て、背を見せて書棚に納めるようになり、小口には埃と光による劣化を防ぐために装飾(マーブル、金箔、パラ掛け、着色)を施すようになりました。
さて、手元にある18世紀の小口にマーブルが施された綴じ付け製本の表紙ボードから小口に施されたマーブルと同じマーブルが見えています。表紙付け後にマーブルが施されたということが分かる事例かと思います。一番右は着色です。
小口マーブルは日本国内でも明治初期に導入された洋式帳簿に用いられていました。その理由として、「マーブル付けは洋式帳簿に鮮やかな美しさと格調を与えると同時に、汚れの防止、および精密な模様をつけることによって、ページの抜き取りによる帳簿の改ざんを防ぐ機能がありました。」ということがあった模様。東京で洋式帳簿を製作する製本職人さんの中にはマーブルの技術を学ぶために本場のフィレンツェへ修行に行かれた方もおられたそうです。
(コクヨオリジナル余話「様式帳簿」https://www.kokuyo.co.jp/chronicle/yowa/ledger/)
マーブルということで調べていると、伝票製本の仕上げ方法で「マーブル巻き」というものがありました。一度は目にした方も多いと思われる青、緑、白の迷彩柄のようなアレです。商品名「マーブルガムテープ」(水張り)として製造されているようです。
マーブル巻き
https://www.yoshimurainsatu.co.jp/blog/?p=2188
マーブルガムテープ(三陽工業)
http://sanyokougyo.co.jp/seihin_gum.html#ami