【所蔵】明治大学図書館
【タイトル】Anmerkungen über den Codicem Maximilianeum Bavaricum civilem, theil 4
【刊行年】1765年
【刊行地】ミュンヘン
【処置前の状態】
①全体的に虫(シバンムシなど)による損傷が目立ち、中でも背固め(膠)の存在する背の虫損度合いが著しい。そのため、綴じ糸および支持体までもが切断され、綴じはほぼバラバラな状態で表紙も外れかかっている。
②表装革は虫損とともに硬化が進行し、柔軟性は完全に失われている。
③見返し紙および本文紙についても特に周縁部の虫損が著しい。
【処置方針】
散逸と利用への不安があるため、無数に見られる虫損を適切に手当てし、再製本を行う。再利用が唯一可能なエチケット(タイトル)は貼り戻す。
【主な処置内容】
①ドライクリーニング
②綴じの解体
③虫損で傷んだ折丁のつなぎ直し、本文紙の破損・虫損部分を修理
④見返し紙の破れ・虫損部分の裏打ち修理
⑤オリジナルと同じ方法で綴じ直す(背バンド綴じ)
⑥背固め後に丸み出しとバッキング
⑦花布の編み直し
⑧虫損で強度に不安があるため、新たに表紙ボード(中性紙ボード)を良いし、中身と再接合
⑨新規背表紙/角革用の仔牛革を染色し、革漉きを行って貼り込んだ
⑩平の部分には上質のコットン紙(ファブリアーノ紙)を貼り込んだ
⑪元の背表紙タイトルを貼り戻した
⑫保存容器を制作して収納
【処置後の状態】